2019シーズンの終盤を7連勝の圧倒的強さでJ1リーグ頂点へと駆け上がった我がマリノス。「最高の最終戦」については多く質の高いレビューがされると思いますので、私は少し早いですが、来シーズンへの期待を書きたいと思います。
ティーラトン選手に見るアジア市場の価値
「ブンちゃん」の相性でその人柄の良さと、マリノスのチーム戦術への抜群の適合性とで見事にサポータの心を掴んだティーラトン選手。
彼のプレー動画はSNS上でも非常に高いアクセスを集め、マリノスが優勝を決めたJ1最終戦も母国タイでも多くのタイの方々がマリノスのユニフォームを纏って盛り上がる様子が紹介されていました。
来シーズンから3年間、中国の放送権をChina Sport Mediaに、その他の市場は電通に放送権を販売してグローバルな露出を増やしていくのがJリーグの戦略ですが、その中心はアジア市場でしょう。
中国やタイなど経済的に伸び代の大きな地域でクラブとしての人気を獲得する事ができれば、ACL出場を果たす来シーズン、新たな海外企業スポンサーがマリノスに出資してくる可能性が大きくなります。
海外でマリノスを応援してくれる新たなサポータ達にも、今年J1リーグで見せたマリノスの魅力的なサッカーを届け、他の試合なんてつまんねーと思わせる事ができれば、来シーズン以降も安定したチーム経営を支えるスポンサー獲得に好循環をもたらします。
従って、これからスタートするオフシーズンのおいてACLでも十分に戦える戦力を整える事は、クラブとしてのマリノスの最重要課題と言えるでしょう。
ACL制覇に必要な事は?
過去の国別ACL優勝回数は韓国が11回で最も多く、続いて7回の日本、5回のサウジアラビア、3回のイラン・中国・イスラエルと続きます。
次年度の対戦方式はまだ不明ですが、昨年同様の東西地域別の準決勝までと、準決勝以降の中東勢を交えた決勝リーグとに分かれる方式が踏襲されるのではないかと思います。
ACL制覇には、東アジア勢と戦うトーナメントと、中東勢と戦う決勝とで作戦を切り替える力が必要になると言うのが、今シーズン決勝で敗れた浦和の試合が示していた事ではないかと感じています。
準決勝まで:中国・韓国との戦い
序盤の東アジア編では激しいフィジカルコンタクトで強引に試合を進める印象の韓国・中国のチームが最大のライバルでしょう。
マリノスにとっては実は決勝で対峙するであろう中東勢との戦いよりも、この両国との戦いの方が課題だと感じています。
勿論マリノスにもチアゴ選手や大津選手のようにフィジカルの強さを出せる選手も居ますが、小柄な選手が多い今年のスタメンでは日本相手となると敵意むき出しで削ってくる韓国・中国の選手との戦いは負傷によるリーグ戦へのインパクトが心配です。
今年の天皇杯やルヴァンカップなどと同様に、若手選手中心でターンオーバーを行うのではなく、特にロングボールでゴール前の肉弾戦を仕掛けてくる相手に対する守備戦力はチアゴ選手級の強靱なフィジカルを持つ選手が複数必要になってきます。
今シーズン引退する栗原選手の後継者となるような肉体派の補強はCBだけでなく、SBやボランチの選手も含めて必要でしょう。
中東勢との決勝
オイルマネーで優秀な育成コーチングスタッフを招聘し、若手年代から近代サッカーを学んだエリートを育ててきた結果、最近の中東勢は緻密なサッカーでゲームを支配する変貌を遂げた印象を受けています。
しかし、こうした近代サッカー同士の激突であれば、2019年のマンチェスター・シティとの試合でも健闘した「マリノスのサッカー」は見事にハマることを私たちは知っています。
J1のリーグ戦に出場している主力級の選手がいつも通りのサッカーをプレーすれば、決勝の戦いは自ずと結果がついてくるのは間違いないでしょう。
と、言うことで
- 主力選手達が怪我なく試合に挑めるベストメンバーのコンディションを如何に維持するか、メディカル・コーチングスタッフの工夫
- リーグ戦との日程干渉問題(オリンピック期間の影響を受けた試合日程が心配)
- 決勝に出場できる外国人選手枠を意識した登録メンバー選定(Jリーグよりも登録出来る外国人選手枠が厳しい見込み)
の3点をクリアすれば、決勝の戦いを制する道が開けると思います。
是非、来年はACLの試合でも「最高の最終戦」を迎え、アジアの歌を高らかに選手達へ届ける事が出来るよう、全力で優勝記念グッズの購入でチームをサポートしたいと思います(笑)。
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